日時：2007年7月5日（木）　16:20-17:50
場所：東京大学駒場キャンパス
講義：全学自由ゼミナール「サービス創造ワークショップ」第十一回
講師：大武美保子
所属：東京大学人工物工学研究センター
テーマ：総合討論
タイトル：サービスを通じて社会に貢献する
書誌：大武美保子，サービスを通じて社会に貢献する．サービス創造ワークショップ要旨集, vol.1, pp.11, 2007.
（本発表ならびに本要旨について引用する際は、こちらをご利用ください。）

要旨：
「サービス創造ワークショップ」では、サービスを作り出す知識やスキルを考え、将来サービスを創出できる人材を育成することを目標に置いています。授業は、前回の授業で出された、サービス創造に関する課題について学生がレポートを作成、それを基に発表を行う形式で進めてきました。発表後には、発表の担当者のほか、教員や受講者全員でのディスカッションが行われます。最終回である今回は、前回のレポート課題である、社会への貢献が大きい生き方をしたと思われる、古今東西の人物に関する発表と、これまでに時間の関係で発表できなかった発表に基づいて、討論しました。

＜アルフレッド・ノーベル＞
　今日、新しいものを開発する際、それがどのように利用され、環境にどれだけの影響を及ぼすか、ということまで考えることが求められていますが、開発者が使われ方を完全に規定することは困難です。しかし、その使われ方を示し、正しく使われるようルールを用意する、といった最大限の努力を払うことはできるでしょう。

＜ムハマド・ユヌス＞
　ワークショップ第五回で、マイクロクレジットについて発表があり、議論の中で多くの疑問が沸き起こりました。この疑問に答える形で、マイクロクレジットを発案したムハマド・ユヌスについて、さらに詳しく調べた発表がありました。グラミン銀行は、教育や衛生の大切さを教え、特にこれまで基本的人権が保障されてこなかった女性に自立の手段を、そして、貧しい家庭に生まれた人に構造的な貧困から脱出する手段を提供します。

＜産婦人科減少＞
　産婦人科だけでなく、全国的な医師不足が問題になっています。医学部の学生が、身近な問題として現状を調べ、その解決策を提案しました。過剰な勤務や訴訟リスクの高さより、産科医を志す人材が減少しており、過疎地において特に進んでいます。医師と患者との信頼関係を築くためには、産婦人科医と妊婦とその家族の人材育成が必要です。また、国公立医学部において、その地域出身の学生枠がある場合があり、このように自然と医師が各地域に定着するような仕組みが求められています。


【アンケート】
本ワークショップを通じて学んだこと、発見したこと、感想をまとめてください。また、よかった点と、問題点について忌憚のないご意見をよろしくお願いします。今後受けてみたいゼミのテーマ等の提案がございましたら、あわせてお書き下さい。今後、サービスに関連する情報の配信を希望される方、何らかの研究活動に参加されたい方は、その旨ご一報下さい。どうぞよろしくお願いします。

【第十回レポート発表】
安田龍矢　ノーベル賞ができるまで〜アルフレッド・ノーベルの苦悩〜
松井真　ムハマド・ユヌス

【第一回レポート発表】
栗原正典　産婦人科減少

参考文献・ウェブサイト：
（レポート発表）
＜アルフレッド・ノーベル＞
「アルフレッド・ノーベル」
http://encyclopedie-ja.snyke.com/articles/アルフレッド・ノーベル.html
「アルフレッド・ノーベル-Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/アルフレッド・ノーベル

＜ムハマド・ユヌス＞
「21歳の女性が貧困から抜け出せた！
バングラデシュで成功したグラミン銀行 」
http://www.cafeglobe.com/news/gramin/index1.html
マイクロクレジットvol.2
「世界に広がるマイクロクレジット
借り手の半数が貧困を脱出 」
http://www.cafeglobe.com/news/gramin/index2.html

未来を変える80人　僕らが出会った社会起業家 (単行本（ソフトカバー）)
シルヴァン・ダルニル (著), マチュー・ルルー (著), 永田 千奈 (翻訳)
日経BP社,2006
http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E3%82%92%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%8B80%E4%BA%BA-%E5%83%95%E3%82%89%E3%81%8C%E5%87%BA%E4%BC%9A%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E8%B5%B7%E6%A5%AD%E5%AE%B6-%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%80%E3%83%AB%E3%83%8B%E3%83%AB/dp/4822245314

＜産婦人科減少＞
厚生労働省統計表データベースシステム
http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/index.html